中国出身の恋人、友人、家族や仕事関係の人に贈り物をするとき、日本では問題のない品が、思わぬ言葉を連想させることがあります。特に普通話では、品物の名前と縁起の悪い言葉が同音、または似た音になる例があります。

ただし、中国は地域も言語も広く、家庭や世代によって受け止め方は違います。以下は全国一律の禁止事項ではなく、複数の資料で繰り返し紹介される注意点です。相手の考え方がわからないときに、選択肢を少し安全な方向へ絞るために使ってください。

時計:もっとも広く知られた連想

中国語で「時計を贈る」を表す「送钟(sòng zhōng)」は、「送终(sòng zhōng)」と同音です。後者は人の最期を看取る、弔うといった意味を持つため、時計の贈答は不吉だと説明されます。

この語呂合わせは掛け時計や置き時計など「钟」と呼ばれる時計で最も直接的です。一方、腕時計は「表(biǎo)」と呼ばれますが、腕時計も含めて時間を示す品全般を避けるという資料もあり、扱いは一致していません。相手の考え方がわからない場合、時計か腕時計かを細かく区別するより、時間に関する品を別の候補へ替えるほうが確実です。

傘と梨:離れることを連想させる音

「伞(sǎn、傘)」は「散(sàn、散る・別れる)」に近い音で、恋人や親しい相手への贈り物では、関係が離れるという連想につながることがあります。

「梨(lí)」は「离(lí、離れる)」と同音です。梨を切り分ける「分梨」は、別離を意味する「分离」と結びつけて説明されます。資料によっては、切り分ける行為だけでなく、親しい相手やお見舞いへの梨そのものを避けるとしています。相手の家庭の考え方がわからなければ、梨以外の果物を選ぶのが簡単です。

靴、鏡、緑の帽子は同じ強さの話ではない

靴については、「鞋(xié)」と「邪(xié)」の音を結びつける説明と、「その靴で相手が去る」という説明があり、由来が一致していません。鏡も、割れることや古い民間信仰と結びつける資料がありますが、時計のように明確で広く説明される同音ではなく、「小さければ安全」と断言できる根拠も確認できません。どちらも相手が欲しいと明確に言っていないなら、無理に選ぶ必要はないでしょう。

緑の帽子はさらに限定的です。「戴绿帽子」は、パートナーに浮気をされている状態を指す慣用句です。避ける対象は実際の緑色の帽子であって、緑色の品すべてではありません。

仕事関係では文化より先に規程を確認する

取引先への贈り物は、文化的な縁起だけでなく、相手企業の贈答規程やコンプライアンスが優先されます。金額は控えめにし、受領可能か判断できない場合は、個人的な贈り物を控えるのが安全です。

迷ったときの結論

時計、傘、梨のように言葉の連想が繰り返し紹介される品は、相手の考え方がわからなければ別の候補に替える。靴や鏡のように資料や家庭による差が大きい品は、本人が欲しいとわかっているときだけ選ぶ。これだけで、多くの迷いは減らせます。

完璧な禁忌一覧を覚える必要はありません。「中国では大丈夫か」と国全体で考えるより、「この人と、この家庭ではどうか」を確認するほうが、実際の贈り物には役立ちます。

まとめ

時計、傘、梨など、別れや弔いを連想させる説明が繰り返し見られる品は、相手の考え方がわからなければ別の候補に替えるのが簡単です。地域、言語、家庭による違いを一つの中国ルールにせず、本人の希望と会社の規程を優先してください。